独白 愉快な“病人”たち

起業家の岡本麻里さん 精神病棟への入院経験で学んだ考え方

岡本麻里さん(提供写真)

 入院生活中は、いろんな患者さんがいて、いろんな場面に遭遇しました。急に怒り出す人、夜中にドアを叩いて悩みを言う人、見えない人としゃべる人、病室でオシッコしちゃうおじいちゃん……。それを看護師さんに報告するのが私の役目みたいになっていました。

■「生きるために頑張らない」

 今思うと、この入院生活や、入院前の傷ついた経験は、心を鍛えるためのトレーニングだったのかなと思います。乗り越えるたびに楽になる、を何度も繰り返して“筋肉”がついた気がします。退院した頃には精神的にマッチョになっていたんじゃないかな。今の私にとって、この時の心の病気は「意味のある」必要な経験だったと思えるようになりました。

 あんなに悩まされた頭痛も退院してからなくなりました。今は体調がすごくよくなりました。

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