冬に身近な病気といえば「風邪」が思い浮かぶのではないでしょうか。医学的には「風邪症候群」と呼ばれ、上気道(喉と鼻、肺の手前にある気管支)にウイルスが感染し、炎症が起こり、鼻水や喉の痛み、熱といった症状が表れる病気です。ほとんどは安静にしていれば自然回復します。
原因はウイルス感染ですから、インフルエンザや新型コロナウイルスのように、検査によってウイルス種が同定されれば、「オセルタミビル」(タミフル)や「ファビピラビル」(アビガン)のような治療薬を使うケースもあります。
しかし、ウイルス種が同定されない場合には、治療薬によるものではなく、「解熱鎮痛剤」や「去痰剤」など症状に合わせて対症療法を行う、または安静を促すだけという治療が一般的です。
「抗生剤」は細菌に対する薬で、ウイルスに効くものではありませんから、無駄な薬を使わないように注意が必要です。抗生剤の飲み薬は一般の薬店では買うことができないので、間違えて購入してしまう心配はありません。
身近な病気の正しいクスリの使い方