役に立つオモシロ医学論文

「うま味」を感じにくい人は太りやすい 日本で解析報告

「うま味」の感度が低いと太りやすい

 その結果、肥満は、うま味を感じていた人で11・5%、感じていない人で36・4%と、うま味の感度が低い人で多いという結果でした。また、甘味を好む人についても、うま味を感じていた人で33・3%、感じていない人で71・4%と、うま味の感度が低い人で多いことが示されています。さらに1日のカロリー摂取量が増加した人についても、うま味の感度が低い人で多いという結果でした。

 うま味の感度と肥満に直接的な関連があるとは言い切れませんが、うま味を感じにくい人では、食事による満足感を得るために甘味の強い食事を摂取しがちなのかもしれません。それゆえ、カロリー摂取も増え、肥満になりやすいと考えることもできます。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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