公費が投入されるとなれば、中央省庁の担当者がそれぞれの医学教育機関に派遣され、予算の使い方をチェックしたり、大学や病院の経営状況の透明化が求められることになります。そうなると都合が悪い医療関係者が少なからずいるのが事実で、激しく抵抗するでしょう。
しかし、今のままでは医師の偏在による地方医療の疲弊の問題はいつまでたっても解消しません。そろばんで言うような「ご破算で願いましては」を実行してこれまでの“膿”はすべて出し切り、強いリーダーシップのある人材を中心にして根本的に体制を変革すべきなのです。
近年、私立のいわゆる単科医科大学は上位5校以外はすべて赤字経営なのが現実です。このまま放置していてはいずれ立ち行かなくなり、医師偏在の解消どころではなくなるでしょう。だからこそ、国が先頭に立って公的資金を注入し、人材を派遣し、経営を見直し、医師の育成システムを根本的に見直すことに一考を投じる次第です。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」