新型コロナワクチンの疑問に答える

インフルワクチンに比べ副反応の割合が10倍高いのはなぜ?

国内1例目のワクチン接種を受ける、国立病院機構東京医療センターの新木一弘院長(左)/(代表撮影)

 日本が皮下注射を原則としているのは、1970年代に筋肉注射が原因で、大腿四頭筋拘縮症の患者が約3600人報告されたからだ。

【Q】インフルエンザに比べて有効性は?

【A】ファイザー社の「mRNAワクチン」は90%以上、モデルナ社は同ワクチンの有効性は94%と公表。アストラゼネカの「ウイルスベクターワクチン」は82%と少し低い作用。インフルエンザワクチンに比べて極めて優秀な効果だという。

「インフルエンザワクチンよりも重症化を防ぐ可能性は高いと考えています。インフルエンザワクチンは、mRNAワクチンのように細胞内で病原体タンパクを人工的に作り出すワクチンと違い、完全に殺してしまったウイルスで抗体を作る不活化ワクチンです。A型、香港型、ロシア型などは変異も激しいので、接種しても有効性はせいぜい4、5割とされています。個人的には、インフルエンザワクチンを接種するくらいなら、新型コロナワクチンを接種するほうが意味があると考えています」

 最新のキングス・カレッジ・ロンドンの研究では、英国の国民保健サービス(NHS)を通じてワクチンを接種した人の3人に1人が何らかの軽い副反応があったという。また、副反応を感じた割合は、3週間後に行われる2回目の接種のほうが高かったとしている。

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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