進化する糖尿病治療法

副反応の報告も それでも新型コロナワクチン打つべきか

ワクチン接種が始まったが(代表撮影)

 糖尿病の人は、優先順位の対象となる基礎疾患の中の心臓病、腎臓病、肝臓病、睡眠時無呼吸症候群、肥満も併せ持っている人が多いから、なおさらです。私自身「コロナによる致死的な可能性を低くするために、糖尿病患者さんは、ぜひ早く打ってほしい」と考えていますし、同僚の医師も同じ考えの人が圧倒的に多いです。

 では、いざワクチン接種となった場合、糖尿病であれば一律同時スタートで接種できるのか? これについては、なかなか難しいとみています。

 各病院へ割り振られるワクチン数は決まっています。また、ワクチン接種に対応する病院と、そうでない病院があります。数が限られたワクチンですから、恐らくその病院に通ってきている患者さんから接種を始めるでしょう。つまり、すぐにワクチン接種できる人と、そうでない人とが出てくる可能性があります。

 もし、自分が通っている病院でワクチン接種を行っていなければ……。今の段階で言えるのは、患者さん自身がアンテナを張り巡らせて、コロナワクチンに関する情報をいち早くキャッチすること。主治医に「ワクチン接種が開始したら、どう行動すべきか」を聞いておくこと。自分の身は、自分で守るしかありません。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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