コロナ第3波に備える最新知識

感染から回復した人や無症状感染者もワクチン接種は必要か

ワクチン接種を受ける高齢男性(C)ロイター

 むろん、接種は強制ではない。厚労省も「接種は強制ではありません。しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り、接種が行われます」としている。とはいえ、副反応への懸念はあっても、欧米でのワクチン接種による感染予防効果や重症化リスクの低下、副反応の少なさなどから多くの人は接種を受けるだろう。

 ただ、ワクチン供給が十分でない状況で、なぜ接種前に抗原検査やPCR検査をして対象者を絞らないのか、疑問に思う人もいるかもしれない。

■フランスは感染者の1回接種を推奨

 そもそも、すでに感染して抗体を持つ人や感染しても症状が出ない潜伏期間中の人にワクチン接種しても大丈夫なのか? 北品川藤クリニックの石原藤樹院長が言う。

「CDC(米疾病対策センター)もサイトで、『ファイザー』や『モデルナ』のmRNAワクチンを念頭に、感染経験のある人も安全に接種できると示す臨床データがあると説明しています。また、感染しても再感染を防ぐに十分な抗体ができているとは限らず、仮にできていてもいつまで続くかわかりません。ですからCDCも、感染して回復した人にもワクチン接種を勧めているのです」 ただし、日本でのワクチン接種計画では接種後3週間後に2回目を打つが、既に300万回以上接種しているフランス保健省は、過去に新型コロナ感染症にかかったことのある人は接種は1回でいいとしている。

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