整形外科を受診しても五十肩が良くならない理由 専門医が指摘

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「関節包とは骨と骨を包み込んでつなぐ靱帯で、肩関節の安定性と可動性という相反する機能が同時に備わった優れた組織です。ここが経年的な使用で炎症を生じた結果、肩痛と著しい可動域制限を生じたのが凍結肩で、『拘縮肩』や『肩関節周囲炎』とも呼ばれています」

 安静痛と夜間痛のある炎症期では、炎症を鎮めるのが最優先だ。

「私は速やかで強力な消炎が期待できるステロイドの関節内注射を比較的積極的に選択し、肩を動かすことは避けるようにしてもらっています」

 炎症期が過ぎ安静痛が治ると、肩はガチガチに固まり、可動可能な範囲を超えて動かそうとすると痛む凍結期になる。

「炎症で変性し伸張性を失って癒着した関節包を伸ばしたり剥がしたりして、動きを再獲得するのが目標。安静や薬は基本的に不要で、リハビリが主です。個人差はありますが、半年から1、2年かけて生活に不自由ない程度に良くなります」

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