こうしてみると、注意すべきは抗がん剤で、ほかの治療はどうなのかという疑問が湧くかもしれません。放射線治療やホルモン療法は、それらに感染リスクを上げるほどの副作用はほとんどありません。決められた接種スケジュールでワクチンを接種してよいと思います。
日本肺癌学会は18日、コロナについての肺がん治療の改訂版をウェブで公開。その中に設けたワクチンに関する項目には、こんな記述が見られます。
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)については、ワクチン接種後2~3日以内に有害事象が多く発現する傾向があるため、可能ならワクチン接種とICI投与の時期を調整することは考慮されていい。接種を回避するほどのトラブルではなく、接種は基本的に問題ありません。ワクチン接種と治療のタイミングの問題ですから、主治医と相談するのが無難でしょう。
7割の日本人がワクチンを接種すれば、国内のコロナ禍は収束します。迷っている方も、前向きに接種してください。もちろん私も、3月に受ける予定です。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵