秒速薬膳でアッという間に健康に

サトイモ・青じそ・きな粉で「脾」を強め花粉症を撃退する

きな粉・サトイモの青じそ風味
きな粉・サトイモの青じそ風味(提供写真)

 くしゃみ、鼻水が止まらない、目がかゆい……。花粉症がつらい季節。賢く食べて、体の中からしっかりとバリアーを張りましょう。

 中医学では花粉症を引き起こす理由として、目には見えない体内のエネルギーである「気」が関係するとしています。気が不足すると、体力が落ちて免疫力が低下、アレルギー物質が体内に侵入して症状を引き起こしてしまうと考えられているのです。

 花粉症を克服するためには、気を生み出すために重要な働きをもつ臓器「脾」を強めるとともに、しっかり免疫力を高める食材を取り入れることが重要です。

 改善のために特におすすめなのは豆類、イモ類、キノコ類。豆は脾のパワーを強め、代謝を高めて気を補う作用に優れています。キノコは体をエネルギーで満たし、免疫力をアップする効果大。イモ類は気をしっかりと底上げするのに役立ちます。特に、粘膜の炎症を抑える作用が高いサトイモがおすすめです。また、これらにプラスして取り入れたいのが青じそとナツメです。アレルギー症状の改善に絶大なパワーがあります。

 さらに、気になる症状別に食材を取り入れるとより効果的です。

 まず、鼻に症状が出た場合、水っぽいサラサラした鼻水が出て止まらない人は体が冷えているタイプ。よって、体を温めるショウガ、ネギ、タマネギを積極的に取り入れましょう。そしてこの時季は、生モノや生野菜は控え、必ず加熱して食べることも大切です。

 また、このタイプにはハトムギもおすすめ。ハトムギは体内の余分な水分を排出する高い作用があるので、無用な水分=鼻水をトイレで追い出すことができるのです。

 一方、粘り気のある鼻水、鼻やのどのかゆみがある、鼻が詰まるといった症状の場合は体に熱があるタイプで、ミントや緑茶を取り入れましょう。

 特にミントは体の上部の熱を取る作用があり、生薬としても使われています。スーッとした香りとともに鼻がスッキリするはず。また、この時季は体に熱を持たせる刺激物、辛いものは控えましょう。

 目のかゆみや充血など目に症状が出る場合は、クコの実、ミント、カモミールが改善に役立ちます。ミントとカモミールのハーブティーに、クコの実を加えた「花粉症改善目薬茶」を、こまめに飲むのがおすすめです。

【花粉症改善薬膳レシピ】

きな粉サトイモの青じそ風味

 花粉症撃退に役立つサトイモ、青じそ、そして、豆類をきな粉で取り入れたお手軽薬膳レシピ。サトイモのとろみで全体がまとまり、青じその風味がさわやかな一品です。よく混ぜて食べるのがおすすめ。

【材料】 2人分
●サトイモの煮物(市販品) 200グラム
●きな粉  小さじ2
●青じそ  4枚

【作り方】
 サトイモの煮物にきな粉を振りかけ、青じその千切りをのせる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

関連記事