ビートルズの食生活から学ぶ健康

菜食主義生活を送ったジョージの基本は「地中海食」だった

ジョージ・ハリスンはもっとも早く菜食主義に傾倒した(C)共同通信社

 妻のパティは料理に励み、2人は菜食主義生活を送っていました。肉、魚を使わないレシピなだけに、パティはなんとか変化をつけようとソースづくりには特に気を使いました。また彼女は、邸宅のあったヘンリー・オン・テームズ(Henley on Thames)の中心地までクルマを飛ばし、各種のチーズやパスタ類、珍しい野菜、世界各国の米、果物、ナッツ、豆、オリーブオイル、ビネガー、スパイスなどを買い求めました。これらの素材を使った料理を振る舞いパーティーを開くこともあり、その折にはワインも飲んでいたようです。

 これらの素材を考えると、彼らの食はいわゆる穀物、野菜、果物、オリーブオイルが中心の「地中海食」スタイルだったことがうかがえます。2012年、ある英国の雑誌に各種のダイエット法を比較した記事が掲載されました。それによれば、地中海食が体重減の点においてはもっとも効果があったことが報告されています。

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松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

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