ビートルズの食生活から学ぶ健康

菜食主義生活を送ったジョージの基本は「地中海食」だった

ジョージ・ハリスンはもっとも早く菜食主義に傾倒した(C)共同通信社

■再婚した妻オリビアはメキシコ流ベジタリアン食に腕を振るった

 ジョージのアルバム「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」(1973年)には、食事中の演奏メンバーの写真が掲載されていて、テーブルにはパン、フルーツ、ワインはのっていますが、肉類はありません。その写真の中心にいるジョージはほっそりとしており、当時からメタボリック・シンドロームとは無縁だったことがうかがえます。

 その後、ジョージはパティと離婚、1978年にメキシコ系米国人のオリビア・トリニアード・アリアスと再婚します。

 2人の生活は子供の誕生とともに親密さを増しますが、もともとジョージの思想に強く共鳴していたオリビアは、食に関してもジョージ流を踏襲し、メキシコ風ベジタリアン料理に腕を振るったようです。

 残念なことに、ジョージは肺がん、そして脳腫瘍を患い、2001年11月、58歳の若さでこの世を去ります。彼の真面目な性格から考えて、菜食主義を終生貫いたに違いありません。

4 / 4 ページ

松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

関連記事