時間栄養学と旬の食材

菜の花は抗酸化作用あり 貧血を防ぎ大腸がんにもなりにくい

葉酸も豊富に含まれるので妊婦におすすめ
葉酸も豊富に含まれるので妊婦におすすめ

 暖かな日も多くなってきました。菜の花といえば、春の象徴ですが、栄養価の高い食べ物としても重宝されています。

 そもそも菜の花とはアブラナ科アブラナ属すべての花のことを言いますので、アブラナ科アブラナ属であるキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどの花もすべて「菜の花」と呼ばれています。私たちがいわゆる「菜の花」として食べているのは、これらのうちの「菜花(なばな)」で、一般的にアブラナの若い茎とつぼみを指します。そのため、「菜の花」「菜花」「なばな」「ナバナ」などと店によって表記が違うのです。

 菜花が辛くて苦手という方もいらっしゃるでしょう。この辛味はイソチオシアネートという成分なのですが、老化を抑制してくれる強い抗酸化作用を持ちます。その他にも、大規模な研究データを分析して、130万人分のデータをまとめた報告によると、菜花のような野菜をよくとる人は大腸がんになるリスクが7%低いことが示されています。大腸がんに限らず、卵巣がんや前立腺がんなどにも同様の効果が期待されていますので、免疫力を高め、感染症対策をとりたい方におすすめです。

 また、菜花は朝に食べたいビタミンCが100グラム当たり130ミリグラムも含まれていて、厚生労働省が1日にとってほしいと推奨する量(100ミリグラム)を楽々摂取できます。ビタミンCにも抗酸化作用や免疫力アップの効果がありますし、肌を守ったり、血管を強くする効果なども!

 さらに、妊娠中にとりたい葉酸も豊富。造血作用があるので、貧血気味の人にもぜひ食べていただきたいです。その他、鉄、カルシウム、カリウムなども含まれます。

 菜花はおひたしで食べることが多いのですが、イソチオシアネートやビタミンCは水に溶けやすい性質を持ちます。どうしても辛味が苦手な方は水につければ辛味を抑えることができますが、せっかくの栄養成分が逃げてしまうのも残念です。とはいえ、まったく食べないよりはいいので、さっと茹でるかどうかはお好みに応じて調整してみてください。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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