前回の本連載でも書きましたが、薬の飲み忘れ、注射の打ち忘れ、使用タイミングの遅れは、血糖コントロールを悪化させます。命に関わる危険のある低血糖を起こすリスクも高めます。
飲み忘れや打ち忘れがあるなら、主治医に相談し、患者さん本人が最も使いやすい薬への変更を検討してもらってください。使用回数が少ない薬に替えれば、飲み忘れ、打ち忘れを減らせられるかもしれません。
ちなみに、未経験者にはハードルが高い自己注射ですが、新しいタイプの注射器は針が見えず、ボタンを押せば1回分の薬が自動的に注入され、注射に慣れていない人でも簡単に正しく、痛みなしで使えます。「実際に使い始めると、なんてことなかった」という声を聞くことが多いです。GLP―1受容体作動薬には週1回でOKの注射薬もありますから、忙しい人には使い勝手がいいのではないでしょうか。
進化する糖尿病治療法