独白 愉快な“病人”たち

稲妻のような残像が…叶かずゆきさん語る脳動脈瘤との闘い

叶かずゆきさん(C)日刊ゲンダイ

 本番の手術では検査時より太いカテーテルだったので、止血はICU(集中治療室)で丸1日。今度は右足そけい部からカテーテルを入れたので、右足を動かさないことが必須でした。その上、心電図や点滴も数本つながれ、尿道カテーテルの異物感もあるという不自由な1日でした。それでも、術後4日目には退院できました。コロナ禍だったので家族との面会は一切できず、同室の老人が1人、誰にも会えないまま亡くなったのが気の毒で印象に残っています。

■退院した日に自宅で倒れてしまい…

 ちなみに、この病気になって一番怖かったのは、退院した日に家で倒れたことです。家に帰ってお風呂に入り、荷ほどきをしてテレビを見ていたらいつの間にか倒れていて、息ができなくて起きたんです。心臓がドキドキして汗が出て、震えて……。しかも1度だけじゃなかったので、2度目に倒れたときは妻が病院に電話してくれました。症状を説明すると、「過度のストレスからの解放が原因だろう」とのこと。手足のしびれや目が見えないといった症状でなければ心配いらないと聞いてホッとしました。でも、それ以後も時々倒れているので、近々かかりつけ医に全身を調べてもらおうと思っています。

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