新型コロナの後遺症には「血栓」が大きく関わっている

写真はイメージ

 こうした後遺症がなぜ起こるのかまだはっきりわかっていないが、一因として考えられているのが「血栓」だという。

 中等症~軽症の新型コロナ患者を受け入れている江戸川病院の加藤正二郎院長が言う。

「新型コロナウイルスに感染した患者さんは、血管内で血液の塊が生じる『血栓症』が起こっている割合が明らかに多い。できた血栓が体内のあちこちの血管に詰まって血流が悪化することで、倦怠感、頭痛、食欲不振、めまい、動悸、息切れ、脱毛といった後遺症につながっているのではないかと考えられます」

■退院後にだるさを訴える患者を検査すると…

 新型コロナ患者に対し、血栓症の診断時などに用いられている「Dダイマー」の測定を行うと、大きな血栓があるレベルの高い値を示すケースが多いという。Dダイマーは、凝固反応によって生じた血栓が分解された際にできる最終的な分解産物で、体の中のどこかに血栓があると数値が高くなる。

2 / 4 ページ

関連記事