新型コロナの後遺症には「血栓」が大きく関わっている

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「一般的に正常値は1.0(μg/ミリリットル)とされていて、10.0以上であればエコー検査を行うなどして血管内に大きな血栓があるかどうかを調べます。新型コロナでは入院する段階で5~10という患者さんがたくさんいて、中には30~40というケースや70まで高くなっていた患者さんもいました。ただ、エコー検査を行ってみると、明らかに大きな血栓は見当たらないことがほとんどです。となると、脳をはじめ全身の微細な血管に小さな血栓が多く生じているのではないかと考えられます」(加藤院長)

 入院時だけでなく回復期にかけてもDダイマーが上昇する患者もいる。退院後、だるさが続いていると訴えて外来を受診した患者のDダイマーを計測すると30だったケースもあったという。

「江戸川病院では、入院している新型コロナの患者さんのほぼ全例で、血栓の形成を防ぐために血液をサラサラにする抗凝固剤を使った治療も並行して行っています。現段階では、回復して退院した患者さんには基本的に抗凝固剤の内服はしていませんが、今後は後遺症の軽減、またはさらなる血栓予防のために必要になるかもしれません」(加藤院長)

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