進化する糖尿病治療法

肉をたくさん食べる男性は死亡リスク上昇 9万人調査で判明

肉をたくさん食べる男性は死亡リスクが高い

 死亡別死因との関連では、男性で肉類の総量が最も多いグループ、そして赤身肉の摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループに対して心疾患死の死亡リスクが高くなっていました。

 では、これらの結果から、肉類の摂取は控えるべきか? 私の意見は、「肉も魚も偏りなく食べてほしい」です。

 糖尿病治療では、さまざまな食品をバランス良く取ることが非常に大事です。「絶対に食べてはいけない食品」はなく、同時に「これだけは絶対にたくさん食べなくてはならない」という食品もありません。強いて言えば、摂取量が少なくなりがちな野菜や海藻類、キノコ類などは意識して積極的に食べてほしい、というところでしょうか。

■女性はリスク低下傾向

 高齢になると、フレイルやサルコペニア予防のために、いかにタンパク質をたくさん摂取するかが重要課題になります。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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