心不全の予兆の可能性あり 1カ月で体重2~3キロ増に注意!

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「急性心不全が1回で済めばいいが、再発、再入院を繰り返すと坂を下るように悪化していき、治療法がほぼなくなり、最終的には命を落とすステージDに至るのです」

 つまり心不全の治療で重要なのは、まずはステージAに上がらない。もしステージAになったら、ステージB↓C↓Dと進ませない。ところが実際は、そううまくいかない。

「ステージCで急性心不全を発症し、救急車で運ばれてくるほど苦しい思いをしても、心不全のタイプによっては数日で良くなり、1週間後には歩いて帰れるほどまで元気になります。そこで患者さんは『治った』と思ってしまう。しかし実際は、治療によって急性心不全から慢性心不全に移行しただけです。心不全を一度発症すると治らない。従来の生活習慣病に加え、心不全の治療にもしっかり取り組まないと、再発を繰り返すのです」

 この数年、心不全の治療薬は冒頭のSGLT2阻害薬を含め新薬が次々と登場。治療の選択肢は増えているのに、治療法がほぼないステージDに至ってしまうと、その恩恵を被れない。

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