身近な病気の正しいクスリの使い方

花粉症をどうしても根治させたい…舌下免疫療法を検討する

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 だいぶ暖かくなってきました。春に気になる身近な病気といえば「花粉症」が挙げられます。日本人の花粉症の有病率は26・5%ともいわれるため、4人に1人がこの時季に憂鬱な日々を過ごしていることでしょう。

 花粉症とはアレルギー性鼻炎や結膜炎の一種で、アレルゲンが体内に入ることで、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといったアレルギー症状(炎症反応)を引き起こす病気です。スギ花粉によるものが代表的で、3月ごろから表れ始めますが、最近では地球温暖化の影響で時期が早まっているようです。

 他にもヒノキやブタクサによる花粉症がスギの後にやってきます。北海道ではスギ花粉はまれな一方、シラカバによる花粉症が多いといったように、花粉症は植生によって土地柄があります。

 花粉症の治療は、主に抗アレルギー薬による対症療法です。内服、点鼻、点眼など投与経路はさまざまですが、いずれにせよアレルギー症状を抑える薬を使います。抗アレルギー薬は副作用として眠気が起こることがあるので注意が必要です。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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