50代独身男性と80代老親のコロナ闘病記

<1>退院直後の後遺症…母は筋力低下で転倒しても起き上がれず

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■食器を洗っているだけで鼓動が高まりめまいに襲われる

 母の退院時、医師から「筋力が低下している。外出を控え、室内で徐々に回復させる」「パルスオキシメーター(血中酸素濃度測定器)で95未満が続き、発熱、息切れがあればすぐに連絡を」「水分を十分に取る」との指導があった。母を1人にして外出するには早かった。身近でウオッチすべきだった。大きな誤算だった。

 腰部脊柱管狭窄症の母は、5年前に車いす生活を経験している。通所半日デイサービス、訪問リハビリを集中した。3カ月ほどの短期間で車いすを脱出できた。それ以降は杖歩行だ。

 母の転倒騒動の時、私は退院後2週間目だった。後遺症で常に心臓がバクバクする。食器を洗うだけで鼓動が高まる。めまいもする。大地震後、余震が続くような感覚だ。熱、咳、のど痛は入院前半で治まった。味覚・嗅覚障害は入院前後から今に至るまでない。医師が診たコロナ患者の中には後遺症に苦しんでいる人もいるそうだ。母と私は良好な部類という。

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