Dr.中川 がんサバイバーの知恵

大空真弓は皮膚がんを切除 「一がん息災」が長生きの秘訣

大空真弓さん(C)日刊ゲンダイ

 日本人の皮膚がんで最も多いのは、基底層や毛包などを構成する細胞からできる基底細胞がん。大空さんも、この可能性が高いと思います。

 多くは高齢者にでき、7割以上は顔の中心寄りにできやすい。鼻やまぶた、口の周りなどで、ホクロのような黒い盛り上がり、光沢のあるホクロに気づいて見つかることがあります。

 このタイプは一般に痛みやかゆみはありません。今までなかったホクロや黒いシミができて、だんだん大きくなってきたら要注意です。こういう変化が早期発見のキッカケになりますから、大きさの変化が分かるように携帯などで写真を撮っておくとよいでしょう。

 基底細胞がんが転移するのはまれで、手術でしっかり切除すれば治りやすい。通常、病変のフチから3~5ミリ広めに切除します。

「しっかり」「広めに」と強調したのはワケがあって、確実に切除しないと、同じようなところで再発したり、筋肉や骨などに浸潤したりすることがあるのです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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