Dr.中川 がんサバイバーの知恵

大空真弓は皮膚がんを切除 「一がん息災」が長生きの秘訣

大空真弓さん(C)日刊ゲンダイ

 切除すると、見た目はもちろん、目や口の開閉など機能性が障害されますから、切除した部分の再建手術が不可欠。人工の皮膚で穴を埋めたり、別の部分の皮膚を移植したりします。

 小さな切除で済めば、再建手術も簡単なもので済みます。その意味でも早期発見は重要です。

 9度のがんを乗り越えた大空さんは、少しでも異変に気づくと、受診することを心掛けているといいます。3~4カ月に1度のペースで検診を受診するそうです。

 無病息災が健康の理想形といわれますが、まったく病気をしない方は、検診がおろそかになり、あるとき手遅れな病気が見つかるケースが珍しくありません。その点、たとえがんでも早期発見で克服できれば、その後の検診や検査を欠かさず受けるようになります。そうすると、病気と折り合いながら長生きできることが、往々にしてあるのです。

「一がん息災」、大空さんはその典型でしょう。3年前に膀胱がんになった私も、「一がん息災」を目指したいと思います。

3 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事