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寝過ぎて頭が痛くなるのはなぜでしょうか…解消法はある?

脳神経外科の菅原道仁氏(提供写真)

 寝過ぎた後、頭痛がする原因には2つのパターンが考えられます。起床時の血管の伸び縮みが原因になる「片頭痛」と、寝るときの姿勢が悪かったために起きる「緊張型頭痛」です。

 片頭痛は、脳の血管が拡張することで血管を取り巻く三叉神経が引っ張られて起こります。人間は、日中は血液循環を高めるために交感神経が血管を収縮させ血圧を上げますが、眠ることで緊張が緩み血管が広がります。長く寝過ぎるとその分、血管が広がって血流が緩やかになるので、起床時の反動が大きくなります。

 寝起きに急に血流が増加することで血管が強く拍動し、三叉神経が引っ張られてズキンズキンと脈を打つような痛みが生じるのです。特に、頭痛持ちの方、寝不足で体に負担がかかっている方のほか、生理中、天候不順の日に寝過ぎると片頭痛を起こしやすくなります。

 一方、緊張型頭痛は筋肉の緊張が引き金になります。寝姿が悪いと長時間、首や肩に負荷がかかるためで、首の付け根から背中にかけて伸びる僧帽筋、後頭部から首の後ろに広がる後頚筋、こめかみにある側頭筋といった筋肉が緊張し、血流が滞るのです。それによって、筋肉が収縮と緊張を繰り返し、締め付けられるような重い頭痛が起こります。吐き気やめまいが生じるケースもあります。

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