コロナ第4波に備える最新知識

コロナワクチンの効果を評価するのは早すぎるのではないか

イスラエルとチュニジアの2月の新型コロナ死亡者数(C)日刊ゲンダイ

 例えば、この論文で最終的に解析した死亡数は41人に過ぎない。それは各約60万人のワクチン接種群と非接種群において、年齢、男女などが同じになるようにマッチングされており、それに外れていると判断された場合の死が除外されているからだ。

 その結果が大規模で厳正な研究により得られたのはわかるが、短期間の、それも少数例の分析の数字をそのまま信じていいのだろうか?

 解析は、経過を追うごとに対象人数が減っていく手法だ。治療薬の臨床研究でもよく使われる一方で、研究者の間でよく問題となるものでもある。対象人数も減り、データの信頼性は疫学的には正しいとされるが、医学的には問題が残る場合もある。

 最近では、拙速にワクチン接種した地域では新型コロナの次の波が早く来ているのではないか、と心配する声もある。また、アナフィラキシーの副反応が米国でも日本並みに高いことも報告されている。

 こうした懸念を「素人考え」「杞憂」「デマ」という人もいるかもしれない。

 しかし、科学は昨日のデマが明日は真実になる世界でもある。まして1年足らずで作られたワクチンに対して評価を下すのに慎重になりすぎることはない。

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