心不全の「和温療法」重症者が劇的に改善するケースもある

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「この患者さんは和温療法を始めると、強心薬を2週間で離脱できました。前回の6カ月と比較すると大幅に期間が短くなったのです。BNP値は2カ月間で4000から400に。400でも高いものの、元の数値の10分の1に下がり、退院後も週2回の和温療法を継続しました」

 村松教授はこれまで約60人の患者に和温療法を行っているが、たいていの患者でBNP値が良好に減少し、再入院率抑制という結果を得ている。

■呼吸が楽になって動けるようになる

 和温療法のメリットは、前述の通り血管が広がって、血液が流れやすくなり、心臓の負担が軽減されること。

 さらに長期的なメリットとして、血管内皮細胞から産生される一酸化窒素(NO)が増えること。NOには、血管の収縮・拡張のコントロール、血小板凝集抑制による動脈硬化予防などの効果がある。

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