身近な病気の正しいクスリの使い方

アトピー性皮膚炎の治療は新しい選択肢が増えてきている

アトピー性皮膚炎の治療は塗り薬が中心

 また、別の作用機序で炎症性サイトカインを抑制するPDE4阻害薬に属する「オテズラ錠」という飲み薬は、同じく皮膚に炎症を起こす乾癬の治療に用いられていて、アトピー性皮膚炎についても効果と安全性を検証中です。また同じPDE4阻害薬の塗り薬「ジファミラスト」は昨年9月に承認申請されています。

 もちろん、従来のステロイドなど外用薬による治療を正しく行うことが最重要ですが、アトピー性皮膚炎にはこうした新しい治療選択肢が出てきています。慢性疾患であり長く苦しんでいる人も多い病気のひとつですので、今後も新しい治療薬が開発されることが望まれます。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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