独白 愉快な“病人”たち

もう歌えないかもと涙…エドアルドさん多発性硬化症と闘う

エドアルドさん(C)日刊ゲンダイ

 先生のお話でも、「治療の効果は人により違い、期間がどのくらいかも含めて、ハッキリしたことは何も言えない」とのことで、不安は募るばかり。予定では15日間の入院と言われましたが、スラスラ書けた日本語も書けなくなってしまい、このまま悪化していくことしか考えられなくなりました。

 しびれの原因は、脊髄の上から5番目の骨と骨の間の炎症だったようです。その炎症を抑えるためにまずは3日間ぶっ通しのステロイド点滴が行われました。その後は錠剤のステロイドになりましたが、その効果を見るために3日に1回、脊髄液採取をするのがいちばんつらい治療でした。大きな注射で脊髄液を採られるので、ものすごく痛いんです。リラックスしていないとちゃんと採取できないようで、何時間もベッドで丸まっていたこともありました。しかも、終わった後がまた痛いのです。

 でも、2回目の脊髄液採取で少し数値が良くなったと聞いたとき、初めて希望が見えました。少しずつでも良くなれるなら……と、治療にもリハビリにも積極的になりました。

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