独白 愉快な“病人”たち

もう歌えないかもと涙…エドアルドさん多発性硬化症と闘う

エドアルドさん(C)日刊ゲンダイ

 入院した時には悲しみだけだった気持ちが、きっと病気を治して必ずみなさんにより良い歌を届けようという気持ちに変わって、治療のモチベーションになりました。今は病気も、私という人間がもっと良くなるために与えられた試練だったと受け止めています。

 退院当初は、右手はまだ思うように動かず、お箸も使えませんでしたが、自宅でリハビリを頑張って、徐々にお箸が使えるようになりました。字を書くのは時間がかかりましたが、やっと、つい2~3週間前に書けるようになりました!

 炎症の場所が違っていたら、声に影響が出たかもしれません。歩行や排泄ができなかったかもしれません。そう思うと、「自分はこれくらいで済んだんだ」と救われた気持ちになりました。先生いわく「早期だったからよかった」とのこと。コップで水を飲む、たったそれだけのことがどれだけ幸せか、私は学びました。

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