ビートルズの食生活から学ぶ健康

78歳にしてなおポールがパワーに満ち溢れているのはなぜ?

フィリップ・ノーマン著「ポール・マッカートニー ザ・ライフ」(KADOKAWA刊)/(提供写真)

 ポールはそのことを家族以外の誰にも知らせずに冠動脈血管形成手術を受けます。心身の疲労が重なり、いわゆる狭心症を起こしていたと推測されます。

 素早く治療を開始するという選択は、ポールらしさを示しているように私には思われます。その後、心臓に関する不調については、その本にも記されていませんし、メディア報道もありませんから、完治したと考えられます。

 ポールはこれまで数回にわたって日本公演を行っていますが、2015年の東京ドーム公演を私も観賞しました。パワフルに歌い、演奏するポールの姿からは、心臓に問題を抱えている様子はまったく見られませんでした。

 3時間近く歌い、ギター、ベース、そしてピアノを演奏しましたが、その間、休憩を挟むことはありませんでした。さらに水分補強さえ行わず、とても70歳を越えているとは思えませんでした。ファンとしてはうれしいステージでしたが、医者の立場から考えるといささか心配になってしまうほどでした。

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松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

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