50代独身男性と80代老親のコロナ闘病記

<8>母はようやく退院するも足腰が弱って車いすが必要な状態に

写真はイメージ

 看護師さんに伝え、病院を後にした。

 コロナとの闘い。われわれの母子闘病は、私が10日間、母は23日間に及んだ。それぞれの闘病生活にゴールが見えない時期があった。医療従事者は、変異ウイルスの拡大や第4波への備え、ワクチン接種など、ゴールのないマラソンを走り続けているかのようだ。医療現場が非常事態の戦場であることが、この母子闘病で真に理解できた。

 ひとり暮らしの高齢者であったら、このコロナはさらに厄介な病だ。ホテル隔離や自宅待機中に亡くなる方もいる。コロナが続く限り、さまざまな社会的問題も続く。

 病院の主治医とコロナ病棟看護師、感染対策室は、しっかりとわれわれ母子に、とりわけ高齢で要介護の母に向き合ってくれた。これらは、まさしく高齢者への医療・介護という社会的問題の解決にもつながる見事なチーム医療だった。心からの感謝を申し上げたい。(おわり)

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