新型コロナワクチンの疑問に答える

バッハ会長発言で物議 中国製は欧米のワクチンと何が違う

奥田研爾横浜市立大名誉教授(C)日刊ゲンダイ

【Q】国によって承認、使用許可のスピードが異なるのは?

【A】「通常は安全性と効果を検証するために3段階の臨床試験を行いますが、承認や使用許可はその国の専門機関が判断しますから、ステップをきちんと踏んでいるのかは国によります。EU、米国は日本と同一です。残念ながら、ロシアのように政府が国力を示すためにワクチンを利用することはあります。日本の厚労省は輸入の場合、米国ワクチン優先になります。米大手製薬会社ファイザーやモデルナのワクチンは、米食品医薬品局(FDA)の管理の下、ルールにのっとって厳密に審査されます。万が一の場合、国を揺るがすリスクを抱えますから、日本も米国に倣った審査基準になっているのです」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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