炭水化物摂取量と心血管疾患のリスク、死亡率との関係について、日本人研究者が従来の研究のメタ分析をしたものでは、低炭水化物食では心血管疾患は減らず、総死亡率は有意に増加したと報告しています。
■主食でお腹を満たせない分、おかず量を増やしてしまうと…
日本糖尿病学会の提言とは別に、糖尿病医の中にも、低炭水化物食賛成派がいます。
しかし私は、積極的な低炭水化物食には反対。これまでの本欄で述べてきた通り、特定の栄養素を極端に減らすのではなく、バランス良く食べることが大切だと考えています。
実際、炭水化物を制限している人の食事は、動物性タンパク質や脂質の量が多い。
主食でお腹を満たせない分、おかずの量を増やしてしまうからでしょう。動物性タンパク質や脂質の量が多くなれば、動脈硬化が進行し、心血管疾患のリスクが高くなります。
進化する糖尿病治療法