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へそのゴマの正体は?掃除して取ってもいいのでしょうか

消化器外科医の石黒成治氏(提供写真)

 ただし、過度にこすったり、ゴマを取りすぎて傷が付き赤く腫れ、細菌が繁殖し化膿する「臍炎」を引き起こすケースがありえます。泌尿器科や外科で処置をしてもらったり、抗生物質の軟膏を塗ることで治りますが、治療を受けて1カ月以上たっても症状が改善しなかったり、臍炎を繰り返す場合は「尿膜管遺残症」が根本原因である可能性があります。

 へそと膀胱は尿膜管と呼ばれるチューブ状の管でつながっています。尿膜管は、胎児が尿を母体に流す役割を果たし、通常は生前に閉鎖します。これが生後も閉じずに残っている状態を尿膜管遺残と言い、尿膜管の切除手術が必要になります。50、60代で突然へそが化膿して発覚するケースもありますから、へそが腫れたり、うんだりしたらまずは診察を受けてください。

 個人で掃除するなら、オリーブオイルでふやかした綿棒で、へそのくぼみの中を湿らせると簡単にゴマを取れます。なかなか取れないときは、綿球をオリーブオイルでひたひたにし、あおむけに寝転がって、へその上に10分ほど置いておくとすくいやすいでしょう。掃除は頻繁にする必要はありませんが、へそから見えている範囲のゴマはその都度、取り除くと清潔に保てます。

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