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米Z世代の6人に1人がLGBTQと自認 3分の2がバイセクシュアル

米Z世代の6人に1人がLGBTQと自認
米Z世代の6人に1人がLGBTQと自認

 アメリカのZ世代(1990年代中盤以降に生まれた世代)のうち、18~23歳の6人に1人がLGBTQ(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・クエスチョニング)であると自認していることが調査で分かり話題になっています。

 この調査は昨年、18歳以上のアメリカ人1万5000人を対象に、調査会社ギャラップが聞き取りで行ったもので、自分がLGBTQのどれかに当てはまると答えた人は、全体の5・6%で、3年前の4・5%から上昇しています。

 中でも18~23歳のZ世代の若者は16%(6人に1人)と最も高く、56歳以上の2%と比較して大きな差を見せています。ギャラップ担当者は、「自らのアイデンティティーをオープンにする傾向があることが大きい。若い世代が育っている社会環境が、以前よりLGBTQをタブーとしていない」という趣旨のコメントをしています。

 そのひとつが同性婚への支持率の上昇です。2012年に同性婚を支持するアメリカ人は53%だったのが、15年に全米での同性婚合法化を経て、現在の支持率は67%に達しています。

 また今年発足したバイデン政権には、初めてのゲイとトランスジェンダーの閣僚も誕生。こうした社会状況が、若い世代が自分たちの性的指向や行動をオープンにする傾向を強めていると考えられています。

 興味深いのは、Z世代で自分はLGBTQだと答えた人のうち、3分の2がバイセクシュアルとしていること。単純計算すると18~23歳のうち11・5%がバイセクシュアルとなります。その上の24~39歳のミレニアル世代のバイセクシュアルは5%ですから、2倍以上に跳ね上がっているのです。

 性的指向は答える人により定義が微妙に異なるため、正確な結果を出すのは難しいとされつつも、時代を映すひとつの指針になっていることは間違いないようです。

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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