そのあと久々にテレビを見る気になって、院内で映画「スター・ウォーズ」を見始めたら、「あれ? 左目、見えなくない?」と気づいたのです。
眼科で診察を受けると、左目は視野欠損で真ん中が白く見える状態でした。目の奥で血管が破れて新生血管ができ、それがもろくて切れるという内出血を繰り返すうちに、視神経に損傷を与えているとのことでした。両目ともにその傾向があって、左目は特に進行していたようです。それで、新生血管を焼き切る手術を受けました。でも左目の視力は戻らず、「今の医学では、どの視神経を修復すれば視野が戻るかわかっていない」と言われた時、左目は諦めました。
3カ月と言われていた入院は1カ月半で済み、その後、リハビリ病院にしばらく通い、体は回復していきました。でも退院から1年後、今度は右目が突然見えなくなりました。ある日、上からカーテンが下りてくるように赤い膜がかかったんです。眼科に行くと、「内出血している。出血が引かないと詳しい診察ができないから3日後に来て」と言われました。
独白 愉快な“病人”たち