ビートルズの食生活から学ぶ健康

退廃的な生活を送っていたリンゴが80歳を超えて健在な理由

ビートルズは永遠!(C)共同通信社
来年はビートルズデビューから60周年

 そんなリンゴも、1990年代に入って、妻の影響などもあり、アルコールを断ち、肉食をやめ、菜食中心の生活に転換します。詳細な情報はありませんが、ニンジンやビーツなどさまざまな野菜をミキサーにかけて作ったジュースを常飲し、飲料水にも気を使っているようです。また卵は食べるものの、他の動物性タンパク質は控えているようです。

 そうした生活によるものだと私は推測しますが、メディアから伝わってくる現在のリンゴの姿は、肥満とは無縁であり、そのはつらつさはとても80歳を越えた人とは思えません。菜食中心の食生活は、カロリー制限はもちろん、野菜や果物に含まれているビタミンB、Cやポリフェノールなど抗酸化作用に有効です。また食物繊維も多く含まれているため、便秘を防ぎ、腸内環境改善にもつながります。

 このコラムでは、ビートルズのメンバー4人のそれぞれの「菜食」について述べてきました。私自身、肉や魚を一切取らない食生活ではありませんが、「菜食中心」の日々を送っています。

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松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

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