アウトドアブームで要注意の「毒虫」はマダニだけではない

キャンプでも注意を(写真はイメージ)

 1970年代までは、全国の田んぼなどに普通に生息していた。しかし農薬や自然破壊で平地から姿を消し、山奥の渓流沿いなどで息を潜めていた。それが最近になって、キャンプ場や屋外のバーベキュー施設などを利用する人が急増したために、“ヤケド”を負わされる人が続出し、再び注目されているというわけだ。

「見つけても手で払わず、息を吹きかけるなどして追い払えと書かれているのですが、はたしてアウトドア慣れしていない人が、初見で見分けることができるか、いささか疑問です。長袖、長ズボンで、首にはタオルを巻くなど、肌の露出をできるだけ減らす工夫をしたほうがいいでしょう」

■シャツが血だらけになるケースも

 動物の血を吸うヒルの被害も増えているので注意したい。

「ただし、昔はヒルといえば淡水に暮らす、黄緑色のチスイビルのことを指しました。水田などによくいたのですが、農薬によって激減し、いまではほとんど見られません。京都府が準絶滅危惧種に指定したほどです。そのチスイビルに代わっていま注目を集めているのは、ヤマビルという、陸にすむヒルです」

2 / 4 ページ

関連記事