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気がついたら体にあざが…病気が隠れているのでしょうか?

整形外科医の川上洋平氏
整形外科医の川上洋平氏(提供写真)

 ぶつけた覚えがないのに青あざができていたという現象は多くの方に見られることで、基本的には心配することはありません。

 あざは、色素細胞の異常増殖による皮膚の変色によるもので、原因はさまざまです。一般的には主にケガや打撲によって毛細血管が破裂してしまい内出血したためにできます。たとえばウオーキングで筋肉を伸ばすだけでも毛細血管が切れることがあります。食事や就寝といった日常の行動でも気づかないうちに皮膚に衝撃や摩擦を受けているとあざになるケースはあるのです。

 男女差でいえば女性のほうができやすいといえます。それは男性に比べて筋肉量が少ない分、皮膚も薄く、肌に受けたダメージが血管にも影響しやすいからです。また過度なダイエットや月経によってホルモンバランスが崩れると血管が弱くなり切れやすくなります。

 体が冷えているのもよくありません。体の内部が冷えていると血管がもろくなり、少しの衝撃や摩擦で毛細血管が切れてしまうからです。

 処置としては、あざができて2~3日以内ならアイシングが効果的です。氷をビニール袋に入れたものや保冷剤などで患部を冷やしましょう。血流を抑えることで、炎症を抑えます。あざは最初は黒っぽい色で青みがかり、黄色に変わってだんだんと消えていきます。

 大抵は、1~2週間で自然に治りますが、それ以上たっても痛みが引かなかったり、青あざの位置が移動、多発したり、範囲が広がっているようなら病院で診てもらってください。

 動脈硬化や重度の貧血症、また白血病や血小板の数が減ってしまう血小板減少性紫斑病といった病気が原因で血液が固まりにくくなっている可能性があるためです。

▽川上洋平(かわかみ・ようへい)2004年神戸大医学部を卒業後、同大整形外科医局入局。関連病院で研修を受け、その後、同大大学院へ進み、膝関節外科、再生医療、スポーツ医学の臨床基礎を学ぶ。13年に米国ピッツバーグ大(ペンシルベニア州)整形外科に留学し、帰国後は北播磨総合医療センターで勤務したのち、神戸大付属病院で骨軟部腫瘍の臨床と研究に従事。20年10月に「かわかみ整形外科クリニック」開院、院長を務める。また、さまざまな医療現場で活躍するスーパードクターたちが出演の公式YouTubeチャンネル「SuperDoctors -名医のいる相談室-」でも解説します。

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