セックスが痛い

彼女が痛みに悩んでいるなら肩をなで、ぎゅっと抱きしめて

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 痛いの痛いの飛んでいけ~。子供の頃に転んでぶつけたあとを、手でさすりながら母親が言ってくれたおまじない。子供が早く泣きやむように言ったのかもしれませんが、本当に痛みが飛んでいった気がしたものです。皆さんも同じような経験があるのではないでしょうか。

 大人になって、うっかりどこかに頭や腕などをぶつけた時も、自然と手でさすります。デート中に起きたら、パートナーにさすってもらうことだってあります。痛みの程度によりますが、軽ければ手を当ててさするだけで、痛みが和らぎますよね。

 私が着目したいのは、このさする効果。子供じみているし、うさんくさく聞こえるかもしれませんが、先ほどの例のように、大人になっても、ケガをした時は自分でさするし、効果を感じているはず。

 婦人科疾患のないセックスの痛みでは、痛いと言われた時に、男性パートナーが痛い場所でなくても、肩や背中などをなで、抱きしめるだけで、不安だった気持ちが落ち着きます。

 経験者の立場からすると、局部の痛みはほかの場所の痛みより不安に感じやすい。ましてや相手に冷たい対応を取られれば、サッと心の扉を閉じて距離を置き、痛みのことは打ち明けず一人で解決しようとする人も出てきてしまいます。

 痛みの感覚を同じように理解するのは難しいですが、信頼できるパートナーの癒やす力は大きいものです。信頼関係がある相手だからこそ、さすられることで安心が生まれる。性交するほど信頼がある間でありながら、その相手の挿入で痛むという特殊な構造を逆手に取って、安心を与える、さする行為はより効果が期待できそうです。

 もしお互いに性生活を継続したい気持ちがあれば、一緒に解決するつもりで向き合い、トライアルアンドエラーを繰り返しながら、痛みが少なく、楽しいセックスの方法を探してみてください。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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