「アスピリンには抗炎症、抗酸化、APC遺伝子変異によるシグナル異常改善効果があり、大腸ポリープの生成を抑制することは、世界の大きな4つの研究でも、私たちの14年の研究でも実証されています。そこで大腸を温存しているFAP患者の5ミリ以上のポリープを可能な限り摘除し、低用量アスピリン1日100ミリグラムと、アスピリンとは違う作用機序で大腸の炎症を抑える薬メサラジン1日2グラムを服用してもらい追跡調査しました」
結果、8カ月間で大腸ポリープの増大リスクが約6割低下。アスピリンとメサラジンの相乗効果については有意差が出なかった。重篤な副作用はなかった。
今回の研究は対象者が102人だったが、アスピリンを日本初のがん予防薬として承認されるために、人数を増やし今後も研究が行われる。予防薬として承認されれば、一般的な大腸がんにおいても、予防薬として応用展開されていく可能性がある。