独白 愉快な“病人”たち

このまま逝くかもしれない…山折哲雄さん肺炎を振り返る

山折哲雄さん(C)日刊ゲンダイ

 主に誤嚥などが原因で強い炎症が起こり、肺の組織が壊れて空洞ができ、そこに水がたまり、さらに膿がたまる病気です。

 治療は、水を出して膿を除去するための抗生剤の点滴でした。2~3週間でようやく改善してきて、丸々1カ月が過ぎた5月初めに退院しました。

 右肺は90%良くなったと言われましたが、再発の可能性もあるとのことでした。医師に「手術という方法もある」と言われたものの、私が88歳と高齢なので、「切るのは気が進まない」と。私もさすがに手術をしようとは思わなかったので、そのまま今日に至って今はすっかり元に戻りました。

 入院中は本当に苦しくて、文字通り生死をさまよいました。延命措置はしないでくれと希望していたので、いつあちら側に行ってもおかしくなかった。3年目に入っていた朝日新聞の連載エッセーをやめる態勢に入ったのもこの入院中でした。

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