秒速薬膳でアッという間に健康に

セロリ・大根・ゆずで「気」を巡らせストレスを解消する

セロリと切り干し大根の中華風和え物
セロリと切り干し大根の中華風和え物(提供写真)

 コロナ禍が続き、何かとストレスがたまりがち。薬膳でストレスに強い体づくりを心がけましょう。

 ストレスがたまっている状態とは、中医学では気の流れが滞っている=「気滞」の状態と考えます。気の巡りは、西洋医学でいう自律神経に重なり、そのコントロールが利かなくなることでイライラ、情緒不安定といった症状が起こるのです。 気が滞ると、胸や脇に張った痛みがある、胃が張る、ゲップやガスが多い、女性の場合は生理前にイライラするといった症状が見られがち。とりわけ、「いつも喉に何かつっかえたような感じ」があったら要注意。これは「梅核気」といって、気の流れが滞り、梅の種が喉につまったかのように喉から胸に異物感がある症状で、自覚がなくてもストレスが相当たまっている証拠なのです。

 ストレスを解消するためには、とにかく「気を巡らせる食材」を取り入れることが肝心です。

 おすすめは「香り野菜」。セロリ、春菊、三つ葉、青じそ、パセリ、パクチーやハーブ類は、スッキリした香り成分が気の流れをよくしてリラックスさせる働きがあります。まさに、食べるアロマテラピー効果を発揮してくれるのです。

 とくにセロリがおすすめです。肝の働きを助けて気の流れをよくするとともに、興奮状態を静めてくれます。高血圧、目の充血の改善にも役立ちます。また、セロリは葉の部分に薬効が多いため、捨てずに使うこと。そして「香り」が気を巡らせるポイントなので、調理する場合は加熱時間は短めで仕上げましょう。春菊もイライラを解消して精神を安定させてくれます。安眠効果も高いので、気滞にありがちな、不眠、寝ても夢ばかり見て疲れがとれないといったタイプには、とてもおすすめです。

 また、香り野菜ではありませんが、大根も気を巡らせるとともに、下へおろす作用があるのでイライラのクールダウンに役立ちます。外食がちな人は、ぜひ「刺し身のツマ」は残さず食べること。青じそ、菊花、大根はすべて「ストレス解消食材」! もちろん“そえものパセリ”も忘れずに。

 ほかにオレンジ、グレープフルーツなど柑橘類も肝の機能を高めて、滞った気を巡らせてリラックスさせてくれます。ゆずは食欲不振や胃の不調も改善してくれるので、搾り汁や皮をこまめに使うのがよし。

 お茶ではジャスミン茶や、カモミール、ミントといったハーブティーがストレス解消の救世主。デスクに常備して職場やテレワークのストレスを吹き飛ばしましょう。

ストレス解消薬膳レシピ
セロリと切り干し大根の中華風和え物

 気を巡らせてストレス撃退に役立つセロリと、大根、ゆずを組み合わせた和え物。

 市販の切り干し大根にサクサクで香りのよいセロリが加わって、おつまみにもぴったりのレシピです。

【材料】
●セロリの茎 1本
●セロリの葉 適量
●切り干し大根の煮物(市販品) 160グラム
●すりごま 大さじ1
●ごま油 大さじ1
●ゆずの搾り汁 大さじ1
●塩 少々

【作り方】
 セロリの茎は縦半分に切ってから、斜め薄切り、葉は細切りにして、ともに塩をふって揉んでからボウルに入れる。
 切り干し大根の煮物も加え、ごま油、ゆずの搾り汁、すりごまを加えて和える。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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