コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

サービス開始から1年が経過「5G」で医療はどう変わるか

写真はイメージ

 しかし、4Gでは画質もさることながら、しばしば画面が固まったり音声が途切れたりすることが多く、本格的な普及には至らなかった。それらの問題が5Gによって一気に解消されるため、オンライン診療にシフトするクリニックや、自由診療によるサービスを提供するスタートアップなどが成長し始めている。

 もっとも、遠隔医療の本命は、内視鏡やカテーテルの検査・治療の遠隔支援だろう。千葉県松戸市の千葉西病院で稼働している「カテーテルスタジオ」の遠隔版をイメージすれば分かりやすい。

 マスコミなどで何度も紹介されているので、カテーテルスタジオをご存じの方も多いだろう。

 同センター内の6つの血管造影室から、検査や治療の映像がリアルタイムでスタジオの大型モニターに送られてくる。それをベテラン医師が見て、重要な局面に差しかかると、モニター越しに現場の医師たちに適切な指示を与える。これによって同病院は、全国でもトップクラスのカテーテル件数と成功率を上げている。

2 / 3 ページ

永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

関連記事