身近な病気の正しいクスリの使い方

咳止めには深刻な副作用もある 用法用量を守ることが大切

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 中枢性にはさらに「麻薬性」(コデインなど)と「非麻薬性」(デキストロメトルファンなど)の2種類があります。麻薬性と聞くと怖いイメージを持ちますが、咳止めとして使用される量では依存などの心配はありません。ただ一方で呼吸抑制作用があり、小児では死亡例もあることから、12歳未満の小児には禁忌(使用禁止)とされています。成人でも用法用量を守って正しく使いましょう。

 また、麻薬性鎮咳薬では便秘や眠気の副作用が知られています。便秘はQOL(生活の質)低下に、眠気は重大な事故につながりかねませんので要注意です。市販の咳止めや風邪薬(総合感冒薬)にも含まれている場合があるため、薬を選ぶ際に気になる場合は薬局で相談するのがおすすめです。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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