進行した膀胱がんの新治療薬が承認 2年以上の生存期間に期待

男性の方がリスクが高く、好発年齢は50歳以降(C)日刊ゲンダイ

■臨床試験では世界初の結果

 バベンチオを含む免疫チェックポイント阻害薬は、簡単に言うと、がん細胞が免疫の働きにかけたブレーキを外し、免疫の働きを活発にしてがん細胞を攻撃できるようにする薬。今回、バベンチオは「維持療法」として用いられる。

「例えば、もともと10センチあったがんが、抗がん剤治療が効いて1センチになったとします。ここにバベンチオを用いた維持療法で、がんの縮小効果を維持するのです」(松山教授)

 つまり、バベンチオ維持療法は2次治療の前に行われるもので、抗がん剤治療(1次化学療法)とセットで1次治療という位置付けになる。

 バベンチオの臨床試験は、日本人を含む進行尿路上皮がん患者700例で実施された。

 抗がん剤治療を4~6サイクル実施し、がんの進行が見られなかった患者を2群に分け、一方には従来の治療(BSC)に加え、バベンチオの静脈内投与を2週間に1度行った。もう一方はBSCのみ。

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