独白 愉快な“病人”たち

透析が一生続くとわかって…宿野部武志さん腎不全との闘い

ピーペック代表理事の宿野部武志さん(提供写真)

 主治医に「そろそろ透析が近いね」と言われたのは大学受験の頃です。そのタイミングで、3歳からお世話になっていた病院から腎臓病に強いといわれる大学病院に移りました。「受験だけはさせてほしい」とお願いして、いつからでも透析できるように「シャント」という透析用の血管をつくってから大学受験に臨みました。「次に頭痛があったら危ないから、頭が痛くなったらすぐ入院して」と言われながら何校か受験して、最後の試験が終わったとき、絵に描いたように頭痛がきて大学病院に緊急入院しました。

 もっとも、入試はすべて不合格。病院に許可をもらって合格発表を見にいったのですが、病院に帰るのが嫌でしたね(笑い)。でも不合格は病気のせいではなくただの勉強不足。「尿毒素がたまって頭が回らなかったんでしょう」と言ってくれる人もいましたが、単純に遊んで勉強しなかっただけです。

2 / 6 ページ

関連記事