時間栄養学と旬の食材

ウルイはビタミンCが豊富 紫外線対策として朝に食べたい

ウルイ

 4~5月が旬の「ウルイ」は、春に出回るユリ科の植物のこと。「オオバギボウシ」という植物の若葉で、山菜として食べられているほか、地域などによって「キンボ」や「コレイ」などとも呼ばれています。また、葉を茹でて天日干しした「山かんぴょう」や、山形県最上地方では光を遮断して白さとやわらかさを際立たせたウルイを「雪うるい」として出荷しています。

 ウルイの形は長ネギに似ていて、栄養価が高いのが特徴です。目立つのは山菜の中でもっとも豊富に含まれるといわれるビタミンCで、その含有量は100グラム中に50ミリグラム。山菜の代表とも言えるワラビのビタミンC量は100グラム中に11ミリグラム、ゼンマイは24ミリグラムなので、およそワラビの4.5倍、ゼンマイの2倍ものビタミンCが含まれている計算になります。

 最近の研究では、食事からのビタミンC摂取量が多い人ほど、また血中ビタミンC濃度が高い人ほど骨格筋量が多いことが確認されています。骨格筋に必要な脂肪酸の代謝に関わるカルニチンや皮膚や腱などを構成するコラーゲンの合成にビタミンCが重要です。さらに、ビタミンCはシミやくすみの原因になるメラニン色素の生成を抑える作用も認められているので、メラニンをつくる原因である紫外線対策として朝に食べるのもおすすめです。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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