新型コロナワクチンの疑問に答える

日本がワクチン開発に予算をかけないのはどうしてなのか

高齢者のワクチン接種が始まったが…(C)共同通信社

「確かに人により筋肉痛などの症状がありますが、これは肺炎球菌ワクチンでもそうです。報告された症状は解析されていますが、ワクチン接種との因果関係を科学的に示したものはありません。さらに国内890万接種(約338万人)を対象とした検証で、症状が未回復であったのは約10万人あたり5人。15~20歳代の接種は95%以上の子宮頚がん予防効果があることが分かっています」

 厚労省も当時「定期接種を中止するほどリスクは評価されなかった」と発表しているが、2002年以降生まれの女子は1%しか接種していないのが現状だ。一方で、毎年3000人が子宮頚がんで亡くなっている。

 新型コロナのワクチン接種は努力義務(任意)だが、感染拡大に歯止めをかけるには国民の6~7割の接種が必要となるだろう。

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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