がんと向き合い生きていく

がんと糖尿病、医師の“言葉”がなぜこうも違うのでしょう?

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 私は真面目に、ずっと真面目に正直に働いてきました。その分、そりゃあ若い時は体を酷使して無理もしました。いまでも暴飲・暴食はしないし真面目に生活していますが、ここのところは在宅での仕事になってしまって、毎日リズムに乗れないまま一日を過ごしている気がします。

 晩酌はおちょこ一杯だけ。頑張って痩せようとしているんですよ。この間、ネットで勉強して「BMI」というものを覚えました。体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)の値で、「Body Mass Index 体格指数」っていうんだそうです。22くらいが最良で、25以上は肥満みたいです。私の体重は80キロ、身長が167センチですから、値は28から29くらい……もっと努力します。今年の目標は体重を70キロまで落としてBMIを25にしたいです。

 それにしても、がんと糖尿病では、どうしてこんなに先生からの言われ方が違うのでしょう? やっぱり、がんは自分自身ではどうしようもなくて、それで死ぬこともあるわけだから、先生は優しく話してくれるのでしょうね。糖尿病の先生の言葉は厳しくて、私の体のことを心配して言ってくれているのはわかるのですが、あんな言われ方をすると反感を持ちたくなります。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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